前回の記事では、商品撮影を行うための1段階目の準備として、基本的な機材と道具類について説明いたしました。
今回は2段階目の準備の1つとして、アパレル(衣料品)の撮影における機材と道具について解説したいと思います。
アパレル撮影では主に3つの撮り方があるので、3つのセットの組み方と共に解説します。
1. 置き撮り
「置き撮り」はアパレル撮影の最も基本的な撮り方になります。衣料を撮影台の上に広げるか畳んだ状態で置き、俯瞰(ふかん)で撮影を行います。置き撮りはアパレル撮影としてはもっともよく使われる撮影手法です。

3×6(サブロク)サイズの撮影台を、箱馬を使って少し斜めになるように設置し、その上に背景となる紙や布などを敷きます。撮影台を少し斜めに設置することで、カメラ位置を真俯瞰にする必要がなくなり、カメラを覗く撮影者の負担が少なくなります。撮影台の準備ができたら、背景の上に服を撮りたい形に整えて置きます。服を整えるときには、服の中に薄葉紙(うすようし)や板綿などを入れて裏地のアタリなどを軽減したり、立体感を出したりすることもあります。
撮影台の左もしくは右に、衣料品のサイズよりも幅の広いディフューザーを立て、ディフューザー越しにアンブレラライトを1灯入れます。上下のセットアップなどで縦に長くなるときには、横並びで2灯入れることもあります。衣料品の上方向からは、センチュリースタンドやブームスタンドなどを使ってアンブレラライトをもう1灯、衣料の正面に近い位置に入れます。必要に応じて、横と上のライトの反対サイドから白レフを入れます。切り抜き用途で撮影する場合、衣類のエッジが背景と同化してしまう恐れがあるときには、衣類のエッジに沿って細長くカットした黒い紙などを入れて、エッジが背景と分離するようにします。
カメラは三脚に付け、衣料品の正面から撮影します。場合によっては、三脚に俯瞰アームなどを付けて撮影することもあります。
前回の基本的な機材や道具類にプラスして、必要な物をリストにしました。
【置き撮りの必要機材と道具】
-
薄葉紙や板綿衣料品の内側に入れて裏地のアタリをやわらげたり、立体感を出すために使います。
-
アイロン、スチーマー、アイロン台、ミトンなど衣料品のシワ伸ばしや、背景の布を使う時のシワ伸ばしなどに使います。
-
背景紙など切り抜き撮影などでは、白やグレーの紙を使うことが一般的です。イメージカットの場合は、イメージに合う背景を用意します。
-
センチュリースタンドサイドのディフューザーを立てたり、上からのアンブレラライトを入れたりするために使用します。
-
ブームスタンド上からのアンブレラライトを入れるために使用します。
-
俯瞰アーム撮影台を斜めに設置しても、カメラを衣料品の正面にセットできないときに使用します。
2. 吊るし撮影
「吊るし撮影」は、発泡ボードなどに衣料品をピン留めしたり、ハンガーに吊るしたりして撮影する方法です。「置き撮り」では撮影するのが難しい、薄手の衣類などに適した撮影方法です。ここでは、比較的簡単な「ハンガーで吊るす方法」で説明していきます。

3×6サイズの木板や発泡ボードに背景紙などをセットします。ハンガーを吊るすためのフックなどをボードに取り付けます。ハンガーに服を掛け、フックに直接吊るすか、テグスを使って吊るします。テグスを使うのは、後でハンガーだけを切り抜くときなどに、フックが邪魔になるのを防ぐためです。ハンガーに吊るした状態で服の形が整わないときには、テープやピンなどを使ってボードに留め、形を整えます。
ライトは置き撮りと同様にサイドからアンブレラ、衣類の正面からもアンブレラを入れ、場合によってはライトの反対側から白レフを入れます。切り抜き用途の場合には、置き撮りと同様に黒い紙をエッジに入れることがあります。
三脚に付けたカメラを衣類の正面に構えて撮影します。
【吊るし撮影の必要機材と道具】
-
薄葉紙や板綿衣料品の内側に入れて裏地のアタリをやわらげたり、立体感を出すために使います。
-
アイロン、スチーマー、アイロン台、ミトンなど衣料品のシワ伸ばしや、背景の布を使う時のシワ伸ばしなどに使います。
-
背景紙など切り抜き撮影などでは白やグレーの紙を使うことが一般的です。イメージカットの場合はイメージに合う背景を用意します。
-
センチュリースタンドサイドのディフューザーを立てたり、上からのアンブレラライトを入れたりするために使用します。
-
ブームスタンド上からのアンブレラライトを入れるために使用します。
-
ハンガー
-
テグス1号のものが目立たず、使いやすいと思います。
-
発泡ボード木板でも良いですが、発泡ボードを使えば衣類をボードにピン留めして形を整えることができます。
-
ピン(玉まち針)ピン留めにはまち針を使いますが、撮影には玉まち針が使いやすいと思います。※ピンを使うときには、紛失を防ぐために撮影前と撮影後に必ず数を数えるようにしましょう。
3. トルソー撮影
「トルソー撮影」は「吊るし撮影」と似ていますが、背景が衣類に接しておらず立体感があるため、モデル着用に近い見せ方をしたいときに使います。

衣類を着せたトルソーの背景に決まりはありませんが、衣類が引き立つような背景にすると良いでしょう。切り抜き用途では、ロールのホワイトやグレーのバックペーパーなどを背景として使います。
ライトは「衣類用」と「背景用」に分けて考えます。衣類用のライトは、吊るし撮影とほぼ同じです。背景用のライトは、背景によって必要な数と種類が変わりますが、適度な明るさになるようなものを用意します。
切り抜き用途の場合には、バックペーパーなどをトルソーから1〜2mほど後ろに垂らし、ライトを当てて明るくします。その時、背景用のライトが衣類に当たらないように注意します。衣類のエッジが背景と同化してしまうときには、黒い紙などを使ってエッジが分離するようにします。
カメラは「吊るし撮影」と同様に、衣類の正面に構えます。
【トルソー撮影の必要機材と道具】
-
トルソー(マネキン)撮影する衣類に合わせたサイズ・形状のものを用意します。
-
薄葉紙や板綿衣料品の内側に入れて裏地のアタリをやわらげたり、立体感を出すために使います。
-
アイロン、スチーマー、アイロン台、ミトンなど衣料品のシワ伸ばしや、背景の布を使う時のシワ伸ばしなどに使います。
-
背景紙など切り抜き撮影などでは白やグレーの紙を使うことが一般的です。イメージカットの場合はイメージに合う背景を用意します。
-
センチュリースタンドサイドのディフューザーを立てたり、上からのアンブレラライトを入れたりするために使用します。
-
ブームスタンド上からのアンブレラライトを入れるために使用します。
-
バックペーパー背景用として、セットペーパーやサベージなどのバックペーパーを使います。トルソー1体の場合、幅は2m以上、長さは5m以上あれば大丈夫です。
いかがでしたでしょうか?今回は、アパレル商品撮影で使う機材や道具について詳しく解説しました。今回ご紹介した機材や道具はアパレル撮影でよく使うものですが、特殊な素材や形、色などの衣類では、異なる道具や機材が必要になることもあります。
今回の記事を撮影のヒントにしていただければ幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。